
"Water and air, pure as crystal."
tretre Niyodo
Taro Takeuchi
トレトレ株式会社
竹内太郎
澄みきった空気。」
「澄みきった水。
“奇跡の清流”
奇跡の清流、仁淀川。水中40m先まで見通せるという驚くほどに透き通った水は、日本一の水質を誇ります。様々な条件によってつくりだされる神秘的な青い流れは「仁淀ブルー」と呼ばれ、テレビやメディアでも紹介され、全国から多くの観光客が訪れます。
この神秘的な水に導かれるように訪れたという竹内さん。最初に訪れた時の印象をこのように語ります。
「とにかく澄んでいました。空気も水も澄みきっていました。」そして、その時の感動と同時に強い可能性を感じたと言います。

高知で生まれ育った竹内さんは、大学進学と同時に京都へ移り、その後は、料理の世界へ飛び込みました。包丁を持つところから始まり、販売や経営まで...。しかし、ある転機が訪れます。
「昔ながらの暮らしが残っているところで、自分で暮らしながらモノを作っていく。そこに自分なりの真実味があると思ったんです。」
高知にいた頃は仁淀川の下流域でよく遊んでいたという竹内さんは、故郷の豊かな自然に可能性を感じ帰郷します。そして、仁淀川を遡上するように辿り着いた源流域。
「これだけ澄んだ水で育った植物がわるい訳がない。この水で育った植物で何かを作っていく。味わいを足していかなくても身体にすっと入っていく。そのようなものが作れるんじゃないかと。そう思いました。」
高知で生まれ育った竹内さんは、大学進学と同時に京都へ移り、その後は、
料理の世界へ飛び込みました。包丁を持つところから始まり、販売や経営まで、、、。
しかし、ある転機が訪れます。
”昔ながらの暮らしが残っているところで、自分で暮らしながらモノを作っていく。
そこに自分なりの真実味があると思ったんです。“
高知にいた頃は仁淀川の下流域でよく遊んでいたという竹内さんは、
故郷の豊かな自然に可能性を感じ帰郷します。そして、仁淀川を遡上するように辿り着いた源流域。
「これだけ澄んだ水で育った植物がわるい訳がない。この水で育った植物で何かを作っていく。味わいを足していかなくても身体にすっと入っていく。そのようなものが作れるんじゃないかと。そう思いました。」

“暮らしながらモノを作る”
澄みきった水と空気。仁淀川に魅了された竹内さんは、源流域の仁淀川町へ移住します。「事業を作り、何かを作って販売する。そうした時、暮らしと仕事が近い場所が良かった。まず住む場所を先に決めて、その時、まだ何をやるか決めていなかったんですが、1年間くらいは準備期間がありました。暮らしながら「村の駅」みたいなところへ行ってみると、いろんな種類の「摘み草」が売られていて、買って飲み比べてみると同じ植物でも味わいに違いがあったりして...。」
「これはどうしてなのか?そう考えるうちに、自分なりのお茶作りに、もしかしたら可能性があるんじゃないか?そう思うようになりました。そこから、ブレンドしたらどうなるのか?
こういう素材が生育するもっと良い場所はないものだろうか?とか。地元の方々に相談しながら味わいを探していくうちにだんだんと形ができてきたという感じです。」
最も透明度の高い仁淀川の水晶淵。ここで企画書を書いていたという竹内さん。自給自足的な暮らしよりも、会社として起業して、スタッフや地域の方々とも一緒になって事業をしていきたい。そのためには地域で茶業をされていた先輩たちが築き上げてきたこと以外でなければ、なかなか世の中に出ていけない。そう考えた竹内さんは、“摘み草”をベースにしたお茶作りを着想します。そして移住してから1年後、tretre(トレトレ株式会社)を設立します。
「農家さんに話を聞いていく中で、親戚用に別の畑があったりするという話を聞くんですけども、何か自分のために作っているロットに、豊かさがあるんじゃないかという気持ちもありました。それを例えば、料亭さんや旅館さんですとか、そういう場面で味わいとして提供していくということにお客さんが喜んでくださるんじゃないかな、というような予感はありましたね。そこに活路を見出したいという、どちらかというとそういう気持ちかも知れませんけどね。」


“地域との交流”
ここ仁淀川町はお茶の産地としても有名な場所。そして、社屋周辺の名野川地区は、植物学者 牧野富太郎も度々植物研究に訪れていた場所でもあり、自生している山野草の種類も多い場所。
竹内さんは、どのように“摘み草”となる野草を探し出したのでしょうか?
「地域の方々全員にお声がけしていくというより、ある方にお声をかけて、それだったらあの人がいいと思うよとか、ご紹介で仲間が増えていったという感じです。当初、“ハッパカイギ”と言う会議を作って、そこで例えば、僕がドクダミが欲しいんですけど、どなたか敷地内にドクダミはないですかね?とか、こういう草はこんな薬効があるんですよなど、情報交換をする場ですね。もう40回以上開催していますが、そのような広がりがある中で、もう何十人かご協力くださる方々が地元にいらっしゃいます。どっちかというと“ハッパカイギ”でみなさんの野草への記憶を呼び戻していったという感じです。」
「昔は家の周りが薬箱であり食糧庫であったという時代が長かったと思うんですね。でも時代とともにそういった文化が途絶えかけていったんですよね。今の仲間のお父さんお母さんだったり、もしくはその祖父母世代くらいまでは、その文化の色が濃ゆいんです。そういえば、ああいう時はああいうものを飲まされたなぁとか、そういう記憶を辿っていった感じですね。」
「ただ、その中で僕たちのいう摘み時にベストな場所で摘んで、例えばヨモギだと標高によって味わいと香りが違うので、僕たちが仕上げた味わいを地元の仲間に共有していくと、これは飲んだ事はなかった。こんなに香りが豊かなものかね!というような発見もあったりします。」
昔ながらの暮らしに寄り添い地域の人たちと交流を深めていった竹内さん。
「移住者って言葉は、プラスの面とマイナスの面も含んだ言葉かなって気はします。だけど、こういった地域の方々との繋がりこそが僕らにとっての地域への根っこだと思うんですよね。私たちの会社も年に1ミリずつでもいいので木の年輪のようにちょっとずつ成長していけたらいいなぁって、そんな気持ちがあります。」



“自然との調和”
「一つのものを大量に作ろうとすると、山の敷地だと無理があるんですよね。そうすると多品種少量生産で、たくさん素材を揃えておいてその中から季節に応じて、お茶が提供される場をどう作っていくか。このようなことを素材から選び出してブレンドしていく。先様と相談しながらお茶を作っています。」
「例えば、料理屋さんですと、お客様がお席について一番最初に口にするものをうちのお茶でやっていくとすると、例えば春にお出しするといっても、それが早春なのか陽春なのか晩春なのか、それによっても素材が大分変わるんです。
日本料理だと、名残りと走りという言葉もあると思うんですが、早春だと冬の名残と春の走りと、その季節が交わるようなお茶を作ってお出ししていく。お料理もそのような素材になりますので季節を追ってお出ししていく感じですね。
僕たちのお茶の役割の一つとして、“お茶を通して季節をお伝えしていく”。このような事を考えながら作っています。」
「摘み時は、2~3日のものもありますし、ほんと、今日っていう、そういう植物もあります。肥料も全然あげないですし、もちろん薬もやりませんし、水やりさえもしないんです。周りの草取りをするくらいです。そうするとそれぞれの植物みんなが自分の作戦で生きていきますので、大雨になろうが、干魃が起ころうが、わりとみんな元気なんですよ。育てられた感じが無いんですよね。
そういうものに結構、濃ゆい味わいですとか、複雑な味わいがあるんですよね。それが面白いところで。秋のものは秋のもの。春のものは春のもの。これをお互いにブレンドしていくと、わりと調和が取れていくっていうこともだんだん分かってくるんですね。」
“奇跡の味わい”
澄みきった水。澄みきった空気。
仁淀川という奇跡の環境から生まれたtretreの“摘み草茶”
この地に暮らさなければ決してつくり出せなかった、まさに奇跡の味わい。
「一緒に暮らしているんですよ、植物と。実はお茶に関して、自分たちの味わいだって思ったことは一回もないんですよね。もちろんレシピの決定は最後に僕が行うんですけど、僕の味わいって思ったことはないんですよ。それは、この植物がどこに生えていて、どんな育ち方をしたからこの味わいになって、その場合、これとこれを組み合わせて、こういう場面でお召し上がりいただくと美味しく感じていただける...。これは自然環境が作った味わいで、もちろん僕たちのフィルターを通ってその味わいになっているということは認めるんですけども、何ていうんでしょう、エゴというか、あんまり感じないんですよ。」


「例えば和ハッカ。日本ハッカなんですけども、それは今はもう自生していないので自然栽培しているんですが、毎年春先に芽をだしてくれるんですよね。そうすると、また今年もよろしくねと。なんかこう、栽培しているという気持ちでなくて、共に暮らしている感じがあるんですよね。
そうするとやっぱり味わいは正直で、出るんですよね、作っている人たちの感覚というのが。
ワインだとテロワールという言い方があると思います。この水で育ったお茶。この水で育ったヨモギ。この水で育った和ハッカ。やっぱりこう、調和していくんですよね。自分もこの水で暮らしていますから、もう相当体内の水も何回も入れ替わってですね、この土地の素材で僕自身も形成されているはずなので、そういう意味で僕も含めてテロワールかもしれませんね。」



「会社を始めてから変わっていない事は、“山の暮らしの心地よさをお届けする”と、これがtretreの一番背骨なんですね。横文字で言うとコンセプトになるんだと思います。自分たちが暮らす中で感じた心地よさを、味わいにしたり、香りにしたり、商品にして、形にして、それでお客様に届けていく。
あと、急成長するような道を選ばない、急成長するよりも長く続く道を選ぶ、それは会社スタート時から変わっていない考え方なんですよね。たとえば花火みたいに何か事業をこういう山間で打ち上げたとして、シューっと萎んでいくと、これはもう地元の人にとっても迷惑だと思うんですよね。なので、そういう事にならないように、事業も暮らしながらやっていく。先に暮らしていらっしゃる方がいる中に、あとで僕ら転校生としてやって来た訳ですから、
感謝をしながらというか、ご迷惑にならないように、この環境を守ってくれていたのは先にずっとお住まいの方々ですからね。なので、そういう自戒も込めながらこれからも続けていきたいなと思います。」

セブンデイズホテルでは tretre さんのお茶を客室で提供しております。
コンセプトは、“日常を豊かに”。
旅の疲れを癒し、高知らしい味わいを楽しんでもらいたい。そんな想いから生まれたとっても素敵な味わいのお茶は、「緑茶」と「きし豆」をブレンド。お食事にもよく合い、低カフェインですので就寝前にもおすすめです。また、パッケージも可愛らしくてお土産にも喜ばれるティーパックです。
7days hotel× tretre オリジナルブレンドティー
tretre 摘み草茶
ラティコ オンラインショップにてご購入いただけます。